笛を習い始めて4年目にして、社中の発表会で初舞台を踏んだ。
左鴻先生にとっても初めての社中の会。
河村能舞台という最適な空間。
初めてのこと尽くしで、緊張の連続。
私は、舞囃子「船弁慶」をさせていただいた。
知盛の怨霊が、大物の浦から船出した義経一行を襲う。
シテに片山伸吾先生、地謡に分林道治先生、田茂井廣道先生、小鼓が曽和尚靖先生、大鼓に谷口正壽先生、太鼓が前川光範先生。
私の出番は昼過ぎ、前半の最後ということもあって、見所はかなりの人。
舞台裏の廊下の天井から、船の作り物が吊るされていた。船に手をそえて出番前に記念撮影。
この日のために用意したキモノは、絽の七宝の地模様の入った段ぼかしに、波のつづれ帯。帯締め帯揚げも波を意識して海の色。
切戸口でご挨拶して、舞台へ。
あがるというよりも高揚感。
玄人の先生方の音を真近くで聴くと、なんと迫力のあることか!
舞台がゆれるのを感じる。
間違わずに吹き通すことが目標だったが、普段は間違えない所まで間違えてしまった。
間違えるたびに歯を見せてしまったようで、見所の友人に「ニコニコと嬉しそうに、吹いていたのはあなただけ」と言われた。
終わって切戸口で再びご挨拶する時には、セーラ服と機関銃の「快感〜」というコトバが頭に中でリフレインしていた。
舞台に立つという魔力にすっかりととりつかれてしまう。
次の機会には、上手く吹きたい格好良く見せたいという欲を捨て、兄弟子姉弟子さんたちのように、落ち着いて丁寧に吹くことを目標にしよう。
番外は、左鴻先生の「獅子」、番組には載っていなかったが左鴻先生のお父様の左鴻雅義先生の「豊後下り端」、杉市和先生の「小手音取」。
観に来てたいただいたお客様も大勢で、盛会のうちに終わった。
後席、二次会では、能楽師の先生方のお話を近くでお聞きすることができて、勉強になる。
長い1日だったが、至福な時を過ごすことができた。
お相手してくだっさった先生方、左鴻先生、社中のみなさま、観に来てくれた友人のみなさまに感謝。
上の写真は、この日の記念にとお友達からいただいた船の作り物のミニチュア模型。
お友達のお祖父さまが、作られたものだ。お祖父さまが作られた作り物の模型は、名古屋能楽堂のロビーにも飾られている。
追記
なんと一月ぶりの記事!
ちょいと体調不良で薬に頼る毎日。能にだけはせっせと通ってましたが…
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