観世アーカイブ

観世文庫が所蔵する能楽関係文献資料をインターネット上で検索・閲覧できるデジタル・アーカイブ「観世アーカイブ」が公開された。観世宗家が守り伝えてきた貴重な能楽資料を保存・活用するための、すばらしい試みだ。

ウェブサイトの公開にあわせて、東京大学駒場博物館では、「観世家のアーカイブ 世阿弥直筆本と能楽テクストの世界」展が開催されているので行って来た。
まさに、すばらしいの一言!
常日頃、世阿弥に会いたい〜!と願っているワタシにとって、ほんの少しでも世阿弥に近づけた気分。
よく能の本に使われているテクストの写真の実物が、目の前にあるのだから!
味方健先生の役者が読む伝書で、ちょうど五音を読んでいる。講義の中でよく耳にする宗節が、いかに偉かったかもよくわかった。
10月に記念して行なわれた東大駒場薪能の映像も流されている。
これがタダ、無料ですよ〜。おまけにカラー刷のパンフレットまでもらえるんだから。なんてお得なんでしょう(講演会の資料なのかもしれない)。

観世アーカイブも、かなり遊べる。
私だったら笛に興味があるし、「楽器」で検索したら、「楽器考証」という書物が画像で公開されている。ページをめくって行くと、能管の構造などの説明がでてきて、面白いったら、時間を忘れます♪

「観世家のアーカイブ 世阿弥直筆本と能楽テクストの世界」

【会場】東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館

【会期】2009年月10月10日〜11月29日 10:00〜18:00 (入館は17:30まで)火曜休館

【入場料】無料

観世アーカイブ http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:8080/kanzegazo/index.html

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物語と絵画〜文学と美術の出会い@大和文華館

大和文華館で開催されている、特別企画展「物語と絵画〜文学と美術の出会い」に行って来た。
正直、期待以上だったので、書かずにはいられない。
自館所蔵の作品、特別出品のもの、取り混ぜてどれもが逸品で、面白く、いつまでも見ていても飽きない。

展示は、王朝物語、仏教説話・縁起、幸若舞・御伽草子、中国故事、軍記物語と分けられている。

王朝物語のコーナーは、主に伊勢物語・源氏物語の、絵巻、屏風、白描画などなどが並ぶ。
展示室に入ってすぐに、大和文華館所蔵「伊勢物語図色紙」(6段芥川 江戸前期 伝俵屋宗達)。学園前の駅から暑い中歩いて来た疲れが、いっぺんに吹き飛ぶ。
同じく独立したショーケースに、「源氏物語浮舟帖」(江戸前期 伝土佐光吉)。
そしていよいよ国宝「寝覚物語絵巻」(平安後期)。4段のうち、3段が開帳されていた。1段目の絵には、桜の花の下で童が笛を吹いている♪
次に目がいったのは「源氏物語図屏風」(江戸中期 伝岩佐又兵衛)。又兵衛といえば、山中常磐の印象が強烈で、大型本まで買ったほど好きな画家。又兵衛の源氏絵は、やっぱり又兵衛で、個性的。ただし、又兵衛の工房の可能性もあるそうだ。
「伊勢物語下絵梵字経」(鎌倉)にも驚かされた。筒井筒と水鏡の場面の白描画の上に、梵字経が刷られている。絵巻の持ち主が無くなった後、供養のために刷られたのだそうだ。
そして新聞などで大きく取り上げられていた「宇津保物語図屏風」(江戸)。宇津保物語の俊蔭の場面が描かれている屏風で、今回が初公開。宇津保物語は、マンガでしか読んだことが無いけれど、マンガの俊蔭に久々に会えた感じ。

仏教説話・縁起コーナーでは、「道成寺縁起絵巻」(江戸後期)が、印象に残った。躍動感があって、このまま絵本の挿絵にしたいような感じ。
「病草子断簡」(平安後期)は、針治療の男。そっとのぞく女がユーモラス。

中国故事のコーナーでは、断然に「人物図扇面」(江戸前期)に見ほれる。能に使われた鬘扇。緻密に描かれている。

幸若舞・御伽草子のコーナーでは、「忠信次信物語絵巻」(桃山)がおもしろかった。詞書読めなかったけど、絵といっしょに楽しみたいなあ。
「大職冠絵巻」もステキ。海女が龍神から宝珠を取り返す場面、まさに能の「海士」を彷彿させる。海女が、懐剣を片手に宝珠を持って舟にひき上げられている。
奈良絵本の数々も、ひっつひとつが面白い。

軍記物語のコーナーは、1点のみなのだけれど、1点で十分精彩を放つ「平治物語絵巻断簡」(六波羅合戦巻 鎌倉)。今回の展覧会の大きなポスターには、原寸大で印刷されているので、帰りにお買い上げ。切り抜いて、額装するつもり(笑)

大和文華館は、2010年に50周年を迎え、この展覧会を最後に本館建物のリニューアル工事に入る。このため、1年間の休館となるそうだ。展覧会会期は27日(日)まで、あと2日。お急ぎください。

大和文華館

特別企画展「物語と絵画~文学と美術の出会い」

会期:〜9月27日(日)

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平家琵琶鑑賞会@永運院

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前田流平家詞曲相伝者・鈴木まどかさんによる平家琵琶の奉納演奏が、くろ谷金戒光明寺の塔頭・永運院さんで行なわれた。しみじみとした良い会となった。

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くろ谷金戒光明寺は、熊谷次郎直実が出家したお寺。その塔頭で平家琵琶を聴くという幸運に感謝。
今日の演目は、「祇園精舎」「鵺」「敦盛最期」。
「祇園精舎」「鵺」の演奏の時は、うぐいすがさえずり、琵琶の音に唱和していた。
さすがに「敦盛最期」の時は、うぐいすさえも遠慮して、静かになる。おそらく、直実が聴きに来ていたに違いない。このとき、庫裏を吹き抜けてた風さえも止んだ。写真は、直実と敦盛の供養塔。

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永運院さんは、江戸時代前期の天才面打師・天下一河内こと井関家重の菩提寺でもあると聞く。
法政大学の宮本圭造氏が、くろ谷墓地でその墓を確認し、永運院が菩提寺であることを立証された。
帰りに井関家重の墓に参る。写真は、家重夫婦の墓。左が家重の墓。

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第60回京都薪能1日目

京都薪能へ行って来た
今年は、京都薪能60回目という記念の年でもあるそうで、両日とも「翁」から始まり、めでたい曲、幽玄な曲、最後に薪能にふさわしいい華々しい曲で終わる。

初日の「翁」は観世流。
シテは井上裕久師。平安神宮の拝殿の大極殿をバックに、天を仰ぐ姿は、それは、それは美しく神々しい。

観世流半能「絵馬」。
シテは河村和重師。笛は左鴻師匠heart02
絵馬は初めて観る。淳仁天皇と伊勢神宮って、どうつながるんだろうと、能に関係ないことが、気になってしかたない。淳仁天皇は、配流先の淡路で失意のうちに亡くなられているのになあ。

観世流能「杜若」。
シテは橋本雅夫師。
「絵馬」の後、火入式があり、炎に中に杜若の精が浮かび上がる。神秘的で、幽玄ってこういうこと?と思うと、書き留めたい!と、自然にスケッチしていた。業平菱の唐衣に、冠には梅のかざし。

大蔵流狂言「福の神」。
茂山千作師、茂山千之丞師、茂山忠三郎師。
直面の千作師の福の神。そのままやわ〜と思う。

金剛流「正尊」。
観たかった曲のひとつ♪
金剛流と観世流ではシテとワキが違うそうだ。
見せ場は斬り組。バタンと倒れるさまが、痛快、痛快♪

さて今年は、笛のお稽古仲間のお友達とご一緒させていただいた。
彼女は、京都薪能を観るプロ(?)。京都薪能を10倍面白く観る方法を教わり実践。
私は、ギリギリに飛び込み、後の席で観るのが慣例になっていたが、彼女は、正面の1番前の席で観るために、昼過ぎから並ぶという。
初日ということで、12時半から並ぶ。それでも3組目。しゃべりながら、本を読みながら、お菓子を食べながら、ひたすら開場を待つ。
開場と同時に、走らないでというアナウンスを横目にダッシュして、正面の1番前の桟敷に席を確保。
確保後は、紋付ではなくて洋服を着た能楽師さんウォッチングがはじまる。京都薪能では能楽師さんたちが自ら、チケットを売り、券をもぎり、パンフレットを売リ歩く。
能楽堂などでは、親しくお話できない能楽師さんたちと、お話できる絶好のチャンス。
パンフレットに、サインをいただき、一言二言お話する。もうドキドキheart02

薪能の興奮覚めやらず、落ち着く先は、「十五夜」さん。
女二人、美味しいお酒と肴で、遅くまで語り合った。
隣に座っていたおじさんが、シャンパンと日本酒をごちそうしてくれたので、とても安くついた。ありがたや、ありがたや。福の神のご利益かな。

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繪本平家物語の世界@姫路文学館

姫路文学館で開催中の特別展「安野光雅が描く繪本平家物語の世界」へ行ってきた。
今日は、この展覧会の記念イベント「平家琵琶鑑賞会」があったのだ。
平家琵琶の奏者は、前田流平家詞曲の相伝者鈴木まどかさん。
「祇園精舎」「老馬」「那須与一」「小原御幸」を、しみじみと聴く。
まどかさんの琵琶は、お市の方ゆかりの琵琶「龍田」(琵琶の撥麺には龍田神社が描かれている)を復元されたもので、「白鷺」と銘がつけられている。白鷺城のそばで、白鷺の音を聴くことができたのも一興。
また先日、能「大原御幸」を観たばかりだったので、聞き比べることができて良かった。謡曲は、平曲を手本としているということが、少しだけ理解できたような気がする。

安野光雅さんの『繪本平家物語』は、大好きな本。その原画が、すべてではないけれど、かなりの数が展示されていて、いつまでも見飽きない。本で見るよりも数倍迫力がある。
安野光雅さんの原画の他に、和綴じの平家物語関連の本や、錦絵、平家物語の概説パネルが展示されいる。神戸の平家物語関連史跡の写真パネルの展示もあった。
自分へのお土産に、絵はがき、一筆せんを買い込む。

神戸で新型インフルエンザの発症があり、鑑賞会の会場の受付では、マスクが販売されていた。来週予定されていた、「平家物語の古跡を歩く」をテーマにした歴史ウォークのイベントは、中止だそうだ。

安野光雅が描く繪本平家物語の世界

平成21年4月24日(金)〜6月28日(日)

姫路文学館特別展示室(北館2階)

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