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興福寺塔影能『谷行』

初めて、興福寺塔影能へ行く。
塔影能とは、東金堂の本尊・薬師如来に能狂言を奉納する恒例行事で、毎年、興福寺境内で開催される。
残念ながら今回は、雨が降る確立が高く、奈良文化会館での演能となった。

『谷行』は、初めて観る曲。
ワキ方と子方が活躍する曲で、一言でいうと、スペクタルな劇的な能。
ワキは大好きな宝生閑師。子方はお孫さんの宝生尚哉くん。宝生欣哉さんも出ているので、三代揃いぶみ。
宝生閑師、お元気になられて良かった。
宝生尚哉くんの演ずる松若が、峰入りした後に病気になり、阿闍梨役の宝生閑師の膝枕で休む場面。
谷行を行わなければならず、別れを惜しむ場面。
ホロリとさせられた。

観世流には、後場に役行者が登場しないのだけれども、今回は味方健先生が、役行者役でご出演。
何よりそれが楽しみだった。
健先生、むっちゃカッチョ良かった
後場のシテは、やはり役行者ですよ。
面は、片山家の鷲鼻悪尉であると、健先生に後日にお聞きした。

谷行(たにこう)とは、「修験者が峰入りの時、同行の者に病人があれば、掟によって谷に突き落として行くこと」と、日本国語大辞典にもあるけれど、実際にそういう掟があるのかしらと気になってしょうがない。

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