天女舞の桜
味方健先生の伝書を読む会『二曲三体人形図』が終わり、次回からは『風姿花伝』に入る。
健先生は、『二曲三体人形図』の講義の中で、天女舞図だけがまわりに描かれた花が梅ではなく桜であることを気づかれた法政大学の院生の方の観察眼はすごいと、繰り返しおっしゃられていた。
その方がどういう方なのだろう、何に書いていらっしゃるのかと、ずっと気になっていた。
灯台下暗し。
『風姿花伝』の予習にと、岩波講座の『能・狂言 II能楽の伝書と狂言』を読んでいたら、その出典が記されていた。ちゃんと勉強しなあかんと反省。
片岡美智「『二曲三体人形図』の天女舞について」(『観世』昭和53年2月)
偶然にも、手元にあり、すぐに上の論考を読むことができた。
その理由こそ、『二曲三体人形図』で学んだことを、一言で要約したようなので、引用。
「〈天女舞〉だけが梅花でなく桜花をあてがわれ、構図も全く違っているという事実は、一体何を物語っているのだろうか。それは、天女・天女舞が大和猿楽の本来の芸ー三体や碎動風・力動風ーとは異質の芸であることの象徴である」
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