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第1回宗一郎の会「船弁慶」事前講座へ行って来た

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来る2013年7月6日(土)、京都観世会館で、第1回宗一郎の会が開催される。
その事前講座「船弁慶」鑑賞の手引に行ってきた。

会場は、烏丸三条上ルの十松屋さんのたちばな舞台。
舞台は烏丸通りに面する3階にあり、ガラス窓の向こうは新風館の建物。
番組の見方からはじまり、仕舞、別習一調の解説、そして船弁慶のあらすじ・小書について、所作、舞、謡を取り入れながら、順を追って解説された。
宗一郎師は、お話がお上手で、ついついと引き込まれる。
長刀や、静烏帽子・黒頭を、希望者には、つけさせていただいた。
私は、もちろん静烏帽子をつけさせていただきましたとも!(笑)

第1回宗一郎の会の番組は、仕舞に「屋島」「吉野静」「碇潜」、別習一調「勧進帳」、能「船弁慶」。
仕舞、別習一調のそれぞれの主人公たち義経・静・知盛・弁慶が、そろって登場するのが能「船弁慶」。
個人の会ならではの、番組の取り合わせ。
小書も、舟唄、重前後替がついて、見どころ多し。

カッチョ良すぎの、林宗一郎師。
義経役は、私の一押し若手である樹下千慧くん♪

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そしてちゃっかりツーショット。
自分で言うのもヘンだけど、すっごく嬉しそうなワタシ。
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講演会のハシゴ

先週末はお楽しみがいっぱい。

土曜日は、まず京都女子大学宗教文化センターの公開講演会「東山から発信する京都の歴史と文化」に行く。
こちらの公開講演会は、年を重ねるごとに、大盛況。
樋口健太郎氏の「保元の乱から平氏政権崩壊までの摂関家について」 のお話は、最近このテーマから遠ざかっている私には、とても刺激的。

金井静香氏の「中世~近世における近衛家と島津氏の交流」も聴きたかったが、京都人類学研究会の臨時シンポジウムの内容が、どうしても外せないテーマだったので、バイクを飛ばして講演会ハシゴ。

京都人類学研究会の臨時特別シンポジウム「民俗芸能の実践と継承:「西浦の田楽」を舞う」で、西浦田楽の保存会会長守屋治次氏がお話された。京都大学の菅原和孝氏の報告は、残念ながら途中で退席。
今年の2月に西浦田楽を見学しに行ったが、やはりお話を聞いてみないとわからなかったことが山盛り。
ぜひまた来年も再訪問させていただきたい。
守屋氏の話の中で、「舞うことで神の領域にはいる」とおしゃっていたことが、印象に残る。

夜は、ライブハウス拾得さんに、ジャズのライブを聴きに行く。
町内の方の親戚は、名古屋を拠点に活躍するジャズシンガー今岡友美さん。
ライブを開催するというので、近所の親しいお友達と連れ立って、聴きに行く。
今岡友美さんのヴォーカルは、小さな身体にパワー満点。
ジャズトリオDear Bluesさん(ピアノ、ベース、ドラム)の演奏も最高。
お客さんは満員御礼で、熱気にあふれていた。
生で聴くのは、迫力が違う。
しばし若者に戻った気分になり、そのまま夜の町へとくりだしてしまった。

日曜日は、京都観世例会。
これはまた別記事で。

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能と狂言11 能・狂言の絵画資料

描かれた能狂言には、とても興味がある。
発売されたばかりの能楽学会の学会誌『能と狂言』(ペリカン社)は、昨年の能楽学会大会の特集号で、私の興味のまさにストライクゾーン。
中でも巻頭の、謡曲「藤戸」を題材にして描かれたという屏風の話に、興味をひかれた。
香川県立ミュージアム所蔵の二曲一双の「源平合戦図屏風」には、右隻に一の谷合戦、左隻に藤戸合戦が描かれている。その藤戸合戦の方が、謡曲「藤戸」になぞられて展開されているそうだ。   

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能狂言の絵画といえば、先月、三井記念美術館で特別展「河鍋暁斎の能・狂言画」を観た(現在終了)。
狂言を稽古していた暁斎の絵には、狂言が好きでたまらないとうオーラのようなモノを感じ、よく知られる暁斎の別の一面を知ることができた気がする。
どちらかというと、狂言画が多く、狂言に疎い私には、知らない曲がたくさんあって、どんなお話なのか気になる。

「河鍋暁斎の能・狂言画」展は、来月から金沢能楽美術館へ巡回する。
【会期】7月12日(金)~9月22日(日)
【会場】金沢能楽美術館



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殺生石1回目

昨日は、小鼓のお稽古、殺生石1回目。
手附をうろ覚えで、惨憺たる結果。
先生は「同じことを何度も言うけど覚え方が悪い」。
う〜、情けない(涙)
次回までには、死に物狂いで、覚えてまいります。

音がいつもよりも、よく鳴ったように思えるのは、雨だったせいかな?
お稽古見学の方がいらして、打ち方を丁寧に説明されたのを聞いていたからかな?
耳元に響く音を打てると、気分上々、頬がにやけてくる。

9月に笛の発表会があり、中之舞を吹く。
その参考のために、「大倉流小鼓大鼓大成」第2巻をお願いしていたのをいただいた。
笛は舞の曲から稽古するが、小鼓ではずっと後から。
小鼓で舞の曲へ進めるのは、まだずっと先だけれど、ページをくるうちにテンションもあがる。

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宵々山はせぬひまで!

ハモが美味しくなると、祇園祭に思いをはせる。
今年の祇園祭の宵々山(7月15日)には、小鼓師匠の吉阪一郎先生のトリオであるせぬひまの公演「えらんでちょ」があるので、さらに楽しみ♪

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「えらんでちょ」は、タイトル通り、リクエストで曲目を決めるというユニークな企画公演。
候補曲の中から居囃子(謡と囃子)、素囃子(囃子のみ)を選んで当日会場で投票し、得票の一番多かった居囃子1曲、素囃子は上位3曲を上演される。他に、出演者が選んだ1曲を舞囃子で演じられる。
打ち合わせ無しでも演奏できるという能楽囃子ならではのもの。
ちなみに「えらんでちょ」は、名古屋弁らしい(笑)

えらんでちょ
【日時】平成25年7月15日(祝) 午後6時開演(午後5時半開場、8時頃終了予定)
【場所】大江能楽堂
【出演】シテ方:味方玄 笛:森田保美 小鼓:吉阪一郎 大鼓:河村 大 太鼓:前川光範
【料金】前売¥2,500 当日¥3,000(全席自由席)
チケットのお申し込みは、せぬひま事務局まで こちら

えらんでちょに行った後、謡曲にちなんだ山を選んで祇園祭をそぞろ歩くのも一興。

黒主山 室町通
桜の花を仰ぎみる大伴黒主がご神体。「志賀」

木賊山 仏光寺通
子どもをさらわれた翁が、木賊を刈る姿のご神体。「木賊」

芦刈山 綾小路通
妻と離ればなれになって、難波の浦で芦を刈る翁がご神体。「芦刈」

橋弁慶山 蛸薬師通
五条の橋の上で、戦う牛若丸と弁慶がご神体。「橋弁慶」


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京都薪能

少しさかのぼるが、今年の京都薪能で、金剛流能「大江山」が演じられた。
その名のとおり、大江山の酒呑童子のお話。
シテは酒呑童子なのだけれど、ワキの頼光一行が主人公で、ワキ方大活躍な能。

実は、京都薪能に先立って、ワキ方の原大師の、大江山のワークショップに参加していたので、応援気分満々。
もちろん正面一番前にて鑑賞させていただきましたとも。

なんとも激しい切り組みが、カッチョ良い。切合能、大好き♪
最後に刺し殺された酒呑童子が、宙返りしたのには、びっくりして、あっと声をあげそうになった。

写真は、ワークショップにて、つくり山伏の装束を体験させていただいている途中。
嬉しくて満面の笑顔。

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数年前、ダンナさんに、国立能楽堂から原稿依頼があった。
大江山について寄稿しはったのだけれど、そのころの私は、能に全く興味がなかった。
そのパンフレットをみると、行きたかった〜〜〜〜〜と思うことしきり。
平成15年2月の定例能。観世流「大江山」替之型。シテが梅若六郎(今の玄祥さん)、ワキが宝生閑で、ワキツレが6人!

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京都能楽養成会平成25年度第1回研究発表会@金剛能楽堂

今日は、京都能楽養成会の研究発表会の日。
仕事を早々に切り上げ、大急ぎで金剛能楽堂へと向かう。
最初の狂言には間に合わなかったけど、舞囃子から鑑賞。
能楽囃子好きなワタクシには、たいへんありがたい会である。
観世流と金剛流を同時に楽しめて、狂言の小舞なども聴けて(今回はなかったけど)、しかも無料。
毎月、京都観世会館と金剛能楽堂で、交互に開催されている。
それぞれのWEBサイトの公演案内に日程が掲載されているので、興味のある方はチェックしてみてください。
番組は、事前に能楽堂で配布されてる。

今日は、初めて森田保美師の下の息子さん森田秀平くんの笛が聴けたのが収穫。
有松遼一師の脇語「七騎落」も印象に残った。

家に帰ると、ダンナさんがご飯を作っていてくれた。
兵四郎ダシを使ったレタスチャーハンが、彼の十八番。
どんどんと上手になって、なかなかの美味。ごちそうさま。

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よし常の浮世の夢ばしー能にしたしむ会

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片山伸吾師の主宰する「能にしたしむ会」へ行き、屋島を観てきた。

これぞ屋島だ!と、屋島の面白さを存分に味わいつくせた舞台だった。
伸吾師の気合いが半端無く伝わってきて、舞台から一瞬とも目が離せないし、人間国宝の狂言方山本東次郎師の那須語りは、鮮やかに屋島の光景が目の前に浮かび上がってくる。

第37回能にしたしむ会

能「屋島」弓流 那須
シテ:片山伸吾 ツレ:梅田嘉宏
ワキ:宝生欣哉 ワキツレ:野口能弘・御厨誠吾
アイ:山本東次郎
笛:杉市和 小鼓:吉阪一郎 大鼓:河村大

また伸吾師の息子さんの峻佑くんは、初シテで「岩船」。
しっかりとしていて、将来の楽しみが増えた〜♪と、ついついにやける。

帰り道、いつもの古本屋さんに寄ると、主が「貴女が来るのを待ってたんだよ〜」と、観世流声の百番のソノシートを、タダで山盛りくださった。
「ありがとうございます〜♡」と喜んでいいただく。ありがたや、ありがたや。
探していた本も見つかり収穫大。古本屋さんは、マメにチェックに寄らなければなりませぬ。

※写真は、屋島の遠景。

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西浦田楽 9

「地能」が終わると「はね能」が始まる。

はね能が始まった頃にはまだ暗かったが、あっという間に夜があけて明るくなった。
はね能は12番あるが、閏舞は閏年にしか演じられない。
はね能の写真は、周囲が明るいだけに、一般の人がたくさん写っているので、ブログに上げれる写真は、下の1枚だけ。
写真は「さおやま」
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「はね能」が終わると祭りも終焉。
見学者も注連縄「グゾバズル」の外(内?)に移動し、舞い庭が掃き清められる。
そして「しし舞」と、観音堂に迎えた神々を元に送り返す神事「しずめ」が始まる。

しし舞
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しずめ
ウォーと叫びながら天を仰ぐ姿が印象的。
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左は火の王、右は水の王。それぞれの面を祓う。
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夢のような一夜だった。

家に帰って関連資料や本を読むと、そういうことだったのかとか、見逃したということがたくさんありすぎる。
ぜひ来年も参列させていただきたい。


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西浦田楽 8

※近しい親戚が倒れ介護のためブログを中断いたしましたが、幸に快方へと向かいましたので再開いたします。

今年の2月に伺った静岡県水窪町の「観音様のまつり」、通称「西浦(にしうれ)田楽」の見学記の続きです。
最後の見学記の前に、西浦田楽について知るために私が参考にした本を紹介いたします。

◆まずは手に入り易いものから。

書籍
吉川祐子『西浦田楽の民俗文化論』(岩田書院 2012)
西浦田楽を長年フィールドワークとしてきた著者の集大成。
西浦の歴史・民俗・芸能、西浦田楽の研究史を、これ1冊で把握させていただきました。付録の資料の翻刻も貴重。ただし学術書であるので、一般読者向きとは言い難く、ぜひとも図書館に常備してもらいたいです。

『西浦の田楽 鑑賞の手引』(水窪町教育委員会)
山路興造「遠州西浦の田楽」(『民俗文化研究所 紀要』第1集所収 1964)をベースとして、見学者のお供として、まとめられた小冊子。西浦田楽を見学に行く際には、ぜひ購入すべし。駅からのシャトルバスの出発点にあたる、水窪町の文化センターで売っています。

DVD
1『西浦の田楽』(監修:本田安次 水窪町教育委員会発行 1998)
2『西浦の田楽と能衆』(1監修:吉川祐子 水窪町教育委員会発行 1998)
2巻出ていますが、1は、西浦田楽の芸能を中心としてまとめたもの、2は、芸能だけではなく神事を含めたものとなっています。簡単な小冊子もついています。小冊子は2巻とも同じ内容。

◆手に入りにくいもの。

早川孝太郎「西浦田楽」(『早川孝太郎全集』第2巻所収 1972)
西浦田楽を世に広く紹介したのは早川孝太郎先生。名著『花祭』の後編の田楽で報告されています。早川孝太郎全集に入っているので、図書館に行けば読めます。
余談ですが、先日芸能史研究会の大会へ行ってきました。そこで渋沢敬三の記録した花祭の映像に、『花祭』を上梓したばかりの早川孝太郎が少しだけ映っていました。はにかむ笑顔がステキでした。

山路興造「遠州西浦の田楽」(『民俗文化研究所 紀要』第1集所収 1964)
西浦田楽見学から帰ってから、古書店よりまず取り寄せたのだけど、これを読んでから見学に行くべきだったと後悔。
私的には、芸能史研究の第一人者である山路興造先生の原点をみたことに感動。なぜなら、先生が早稲大学大学院生時代のお仕事なんですもの!

須藤功『西浦のまつり』(未来社 1970)
大型の写真集。モノクロで、すごい迫力。写真だけではなく、詳細な解説が読み易く、ぜひ手に取って欲しい1冊。グログの写真にモノクロが多いのは、この本の影響かも。

「西浦田楽」(『浜松楽器博物館 フィールドワーク報告書』Vol.1所収 浜松楽器博物館 1998年)
楽器の博物館の報告書なので、田楽に使用される楽器、音楽的な考察が主な目的。音を譜面におとしているので、音楽的興味のある方にはおススメ。実はこの報告書、某大学で、ご自由にお持ち帰りくださいコーナーから発掘した1冊。ラッキー♪

ビデオブック『大系日本歴史と芸能』第4巻「音と映像と文字による 中世の祭礼」(平凡社・ビクター 1991)
4巻の一部分に紹介されています。この巻をみていると、西浦田楽が、確かに中世のひとこまにあたるのを実感します。このビデオブックは、大きな図書館で所蔵されていることが多いです。全14巻とも見応えがありますのでおススメ。

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