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小鼓

2012年2011年の12月から小鼓を習い始めています。
大倉流の吉阪一郎先生のワークショップに参加させていただいたのがきっかけです。

吉阪先生のお稽古は、とっても厳しいのですが、それは熱心に指導してくださいます。

今年の9月に、社中の会が、京都観世会館であります。
まだ習い始めて1年経っていませんが、初舞台に立たせていただくことになりました!
先日のお稽古で、番組をいただきました。
私が打つのは、独鼓「船弁慶」。
お相手をしてくださるのは、金剛流の若宗家金剛龍謹師♡
なので、先日の若手能は必見だったのです。勉強になりました。
吉阪先生を心配させないように、家で自主練に励みます。

吉阪若葉会
9月17日(祝)←奇しくも私の誕生日なのだ
京都観世会館
午前9時15分開始

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私の出番は、1番最初。後の番組を落ち着いて見せていただけます。
吉阪先生の長男倫平くんも初舞台(^^)
能「恋重荷」を出される方もいらっしゃいます。

マイ小鼓。

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仕事場の昼休みに、イラストレーターで作った自信作。
1作目は、1日練習しただけで、潰れました。
2作目は、持ち方を練習したかったので、ビニール紐で調緒をつけました。
これを家に持ち帰る時、たまたま出会った能つながりのお友達が、「すごい!ヨウダさんて、アーティストやわ」と誉めてもらえてご満悦(笑)

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京都観世会館オリジナルグッズ

京都観世会館オリジナルグッズが、売り出されました!

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公演チラシがちょうど入るトートバッグ(1300円)、絵葉書3枚セット(200円)、クリアーファイル(300円)、便箋と封筒のレターセット(600円)の4種類。
京都観世会館のためにと、大人買いしてしまいました。

キャラクターデザインは、京都観世会館能舞台の鏡板。
近代日本画の巨匠・堂本印象作。
堂本印象ならではの、抽象的で斬新な老松。

京都の鏡板といえば、昔の雑誌『金剛』(146〜149・153〜155)に、松野秀世「鏡板 洛中洛外」とい連載があります(松野秀世氏は、能画家松野奏風氏の子息で、日本画家。名古屋能楽堂の老松を描かれた方)。京都の寺社の能舞台、敷舞台を散策する体で、鏡板の由来を紹介され、写生された絵も添えられています。画家ならではの見方が、読んでいて面白かったので、鏡板つながりで紹介しておきます。

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平成24年第4回林定期能

自宅療養中の夫は、微熱が続き、一歩前進二歩下がるといった感じ。
日中は平熱に下がっていたので、「安達原」だけでも観ようと、林定期能へ行ってきました。

観世流能「安達原 黒頭」
シテ:田茂井廣道
ワキ:原大 ワキツレ:有松遼一
間:松本薫
笛:杉信太朗 小鼓:曽和尚靖 大鼓:石井仁兵衛 太鼓:前川光長

安達原の後場、なぜかいつも鬼女を応援してしまう。
前場の糸を紡ぎながら、憂き世の辛さを語る場面に共感してしまうからかしら。
がんばれ鬼女、負けるな鬼女!
黒頭の小書がついているので、さらにパワーアップした強い鬼女。
悲しみ・孤独を原動力に、山伏をやっつけよう!
中正面に座っていたので、柱際での戦いの時、黒頭が面にかかる具合が、とっても妖しくも美しく見えた。

前シテの姥は、山伏たちをもてなすために、薪をとりに行くと言い、閨の中を見るなといさめる。
視線を残して振り返る姿が、ゾクゾクとカッチョよい。がんばれ鬼女!

前シテの姥の紅無の唐織の文様は、何なのか気になった。
唐花文だと思うのだけど、連続した文様がモダンだわ。昔からある文様なのかなあ。
能狂言装束の文様事典があればいいのにと、いつも思う。

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2012年若手能@京都観世会館

夫が心臓の手術を受けて26日目。退院してから2週間。
そろそろ日常に戻りたいと、京都観世会館へ若手能を見に行ってきた。
しかし、久々の京都観世会館にも関わらず、開演時間を勘違いしていて、着いたのは昼過ぎ。とほほ。

能は金剛流の船弁慶。
シテは金剛龍謹師、笛は小鼓師匠だったので、私には必見なのです。
(なぜ私には必見なのかについては、別記事で)

金剛流能「船弁慶」
シテ:金剛龍謹
子方:漆垣皓太
ワキ:原大 ワキツレ:有松遼一、岡充
間:松本薫
笛:森田保美 小鼓:吉阪一郎 大鼓:河村眞之介 太鼓:加藤洋輝

前シテの静の唐織は、朱と浅葱色の段違、帆掛け船と千鳥の文様。
これから船出する義経一行を送るのにぴったり。

知盛の怨霊の登場を予測させる波濤の様子を再現した大小の囃子に、胸がワクワク。
やっぱり能を観ていると、古典の世界が目の前に形となって現れるのは楽しくってしょうがない。

後シテの知盛の怨霊の半切は、紫紺の地に浪に矢の文様。
紫紺色が鮮やかで印象に残る。

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月岡耕漁

能画をコレクションするようになりました。
高いものは買えませんが、なじみの古書店さんが声をかけてくれたり、古書店さんの目録で見つけたり、オークションを利用したりするのが、最近のお楽しみ。
中でも月岡耕漁が、大好きです。

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包み紙に「耕漁肉筆 能画色紙」と前の持ち主が書いていましたが、後述する「The Beauty of Silence」の図録にも、同じ体裁の色紙判が掲載され、「能画」として5枚一組で大黒屋から出版されたものではと推測しています。

月岡耕漁(つきおかこうぎょ)は、、明治から昭和にかけて活躍した能狂言の舞台を専門に描いた能画家です。耕漁は、明治2年3月7日、羽生久亮の二男として生まれました。一時、母の実家の籍に入り、その姓である坂巻をなのりますが、後年、母が浮世絵の月岡芳年と再婚したことで月岡家に入り、芳年没後、母の希望により月岡姓をなのります。
はじめ陶器の絵を伯父宮内林谷に学びます。東京府画学伝習所に入り、結城正明に教えを受けます。ついで月岡芳年・尾形月耕・松岡楓湖に浮世絵を学びました。
明治28年ごろより能画を志し、『能楽図絵』『能楽二百五十番』『能楽百番』を大黒屋より出版しています。昭和2年には、その集大成ともいえる『能画大鑑』を出版しましたが、その年の2月に、59歳で急逝します。

雑誌『謡曲界』昭和2年4月号には、弟子の松野奏風による「耕漁先生と其芸術」と題する追悼文が載せられています。弟子から師への哀悼の文面は、心をうつと同時に、耕漁の足跡を簡明にまとめられていまます。この追悼文には、奏風が描いた「観能中の耕漁先生」が添えられているのもぜひ見ていただきたいです(松野奏風の著作権が切れるのは来年。ここでお見せできないのが残念)。

月岡耕漁の能画は、高価で手元に置くことは難しいですが、手に入りやすい図録2冊に、たっぷりと掲載されていますので紹介しておきます。

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1冊目は、2004年、城西国際大学水田美術館で開催された、「近代の能画家月岡耕漁」展の図録。
西野春雄先生による「月岡耕漁の画業 《能楽図絵》《能楽百番》を中心に」は、耕漁の画業を、詳しく知ることができます。また「月岡耕漁略年譜」は、社会・能楽・美術の動きをあわせて載せられているので、時代の流れの中での耕漁の活動を知ることができます。城西国際大学水田美術館で購入可。城西国際大学水田美術館のサイトは→http://jiu.ac.jp/museum/index.html

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2冊目は、2012年1月〜4月、オランダのマーストリヒトにあるボネファンテン・ミュージアムで開催された、「The Beauty of Silence: Japanese No & Nature Prints by Tsukioka Kogyo 1869-1927」展の図録。版型が大きくて、スキャン失敗。
図録を手にとり、このボリュームで、海外で開催されたことにまず驚きました。そしてうらやましい。当然ながら英語版ですので、まだすべてを読めてはいませんが、解説ページが充実しており、かつ図版が大きくカラーなのがうれしいです。私はアマゾンの洋書で購入しました。
ボネファンテン・ミュージアムのサイトの展覧会のページ→http://www.bonnefanten.nl/en/exhibitions/temporary_exhibitions/the_beauty_of_silence

最後に、紹介しておきたいのは、インターネット上での、月岡耕漁の能画を楽しめるサイト。
まずはピッツバーグ大学による耕漁プロジェクトのサイト。
耕漁プロジェクトのサイト→http://digital.library.pitt.edu/k/kogyo/

文化デジタルライブラリーでも、楽しめます。収蔵資料の能楽資料から楽しみましょう。
文化デジタルライブラリーのサイトの能楽資料のページ→http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/collections/submenu.do?division=collections&class=nougaku_doc

参考文献
城西国際大学水田美術館『近代の能画家月岡耕漁』
ボネファンテン・ミュージアム『The Beauty of Silence』
松野奏風「耕漁先生と其芸術」(『謡曲界』昭和2年4月号)
片山慶次郎「月岡耕漁にたどりつくまで 序に代えて」(『能楽百番』昭和55年 有秀堂 復刻版)
月岡玉瀞「父の思いで」(『能画名作百選 月岡耕漁 松野泰風』国際文化社、昭和58年)

※夫が倒れる前に途中まで書いていた記事。思い入れが深いので、完成させて更新♪

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