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寝覚@京都観世例会

2月の京都観世例会で、稀曲「寝覚」が出た。

醍醐天皇の勅使が、長寿の霊薬を求めて寝覚の里へ、三帰の翁を訪ねてやったくる。
前シテは、柴を背負った木こりの老人。ツレは供の男。井上裕久師と吉浪壽晃師。息のあった掛け合いの謡が心地良い。
木こりの老人は、三帰の翁という名の由来などを語り、自分が三帰の翁であること、薬を与えること、舞楽を奏することを約束して、作り物の中へと消える。作り物は、一畳台の上に置かれた宮。上に実をつけた松に覆われて巌のよう。
ツレの男は来序で、幕へと中入り。来序でツレが帰って行く「間」っていうのは、これから起こることへの期待感を増幅する。

間狂言は、山の神が登場して、三帰の翁のことを語り、もてなすためにと三段の舞を舞う。気になるのは、勅使の左の頬がにこにこしだしたから云々という詞。左の頬がにこにこすることに、何か意味があるのかなあ?

そして夜も更けて、下り端で天女が二人登場。朱の舞衣(長絹かな?)に白の大口、白の舞衣に赤の大口という、対称となった出で立ちで、天女の舞を相舞。微妙に違うところもあるけれど、ほぼ揃っていて美しい舞だった。
天女の舞が終わると、作り物の中からシテの声が低く響いてくる。
現れたのは、異様な面に狩衣姿の三帰の翁。面は茗荷悪尉というものだろうかしら?デフォルメされた目が印象的で、滑稽さえ感じるのだけれども、異形=神聖な感を受ける。三帰の翁は、実は薬師如来(医王仏)の化身だと名のり、重厚な重厚な楽を舞う。

舞い終えたころ、早笛にのって龍神二人が颯爽と現れる。薬壷を持っていて、それを作り物に腰掛けた三帰の翁に捧げると、相舞で舞働。龍神は河村家の若手浩太郎師と和晃師。力強く迫力のある龍神をみせてくれた。息もぴったりで、スーパー龍神コンビ。
三帰の翁が霊薬を勅使に授けておしまい。

「寝覚」という曲は、幽玄や余韻を感じるという能ではなくて、視覚で楽しむ能だった。昨年、喜多流で観た「白髭」と似ているかも。でも「白髭」よりずっと派手。

さて、来月の京都観世例会も、めったに観ることがない「右近」が出るので楽しみ。

今日は、京都のお稽古日。
見事、舞働をクリア。まぐれかなあ?でも自分の音が気に入らない。
次回は、見計らいで早笛。

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コメント

さうびさん おおきに。
なんだか寝覚は、とっても興奮しました。
も一回観たいです。
そしたらもっとわかるかも。
今年の四季彩能の9月には、白髭が出るのでお楽しみに♪

投稿: ヨウダ | 2011.03.04 23:43

うわ〜先輩の観能レポート
読みごたえがあります。
寝覚を観ていないことが悔やまれ
ますが、きっと私が観てもこんなに
感じることはできないです。
先輩の解説つきで観能したいデス♡

はーっ。観能以前に先輩のわかりやすくて
愛のある文章力を盗みたい。

投稿: さうび | 2011.03.04 06:13

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