なんとのう ええー慶次郎雑談
観世流シテ方片山慶次郎師が、先月お亡くなりになられた。
3年前、京都観世会館のすぐ近くの喫茶店へ入った時のこと。
カウンターに、きりっとしたダンディな殿方が座っていらした。
片山慶次郎さん?と思ったが、能にはまる前だったので、能楽師さんのお名前と顔が一致しない。
帰られた後、店のマスターに、「今座ってはった方、片山慶次郎さんですよね?かっこええですね〜」と言うと、うなづきながら微笑まれた。
見所からでしか拝見したことがなく、実際のお人柄は存じ上げないのだけど、私の中の片山慶次郎と言う人は、この日の印象で、かっこええ人となった。
喫茶店でお見かけした後、慶次郎師の著書である『なんとのう ええー慶次郎雑談』を、図書館で借りて読んだ。でもそのころは、能のことはさっぱりわからなかったので、半分ほど読んだだけで返してしまった。
今年の「能にしたしむ会」を観る前、『なんとのう ええー慶次郎雑談』を古書店で偶然に手に入れた。あらためて読みなおしてみると、面白くてしかたがない。そしてほろりと涙が出るくだりが多々ある。
やっぱり慶次郎師はかっこええ人やなあ。つくづくそう思う。
心からご冥福をお祈りいたします。
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コメント
ヤマギワさん コメントありがとうございます。
わたしはもう1度、慶次郎師の舞台を拝見しとうございます。
合掌
投稿: ヨウダ | 2010.09.09 22:59
片山慶次郎氏の訃報を伺った時 手元に今回の「テアトル能(隅田川)」のパンフレットがあり 芭蕉さんはおられないのだなと思いました。子方をつとめられる「梓」さんが奥の細道の「かさね」さんかしらと思ったものでした。ご冥福をお祈り申し上げます。
投稿: ヤマギワ | 2010.09.09 09:25