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2月末の観能メモ

◆同明会能。
京都の囃子方さんたちの音をじっくりと聴く貴重な機会。堪能いたしました。

左鴻師匠は、
金剛流舞囃子「淡路」急々之舞
ひと月ぶりに聴く師匠の笛heart01神舞の最後のヒシギが気持ちよく響いて、ワタシの顔はにやけっぱなし。人が見たらさぞや気持ち悪かっただろうな。

能「海士」二段返 懐中之舞
シテ:浅見真州 子方:赤松裕一 ワキ:村山弘 間:松本薫
笛:杉市和 小鼓:林吉兵衛 大鼓:石井喜彦 太鼓:前川光範

浅見真州師のシテを拝見するのは2回目。
以前、大槻で「自然居士」を観て感動したので、楽しみにしていた。
前シテの面が、忘れられないくらいインパクトのある面。なんていう面なのかなあ?
ちょっとアンニュイな感じで、後シテの神性を帯びた面と好対照。

eye気になったこと
森田光廣師の筒に、大きく「青龍」の文字が!銘管「青龍」を吹いてはったの?

付祝言は、何の曲だったのだろう?

◆京都観世会二月例会
能「忠度」
シテ杉浦豊彦 ワキ:江崎金治郎 ワキツレ:江崎敬三、和田英基 間:野口隆行
笛:森田保美 小鼓:伊吹吉博 大鼓:石井保彦

やっぱ平家モノは、大好きheart01
好きな能楽師さんだと、楽しみが倍増heart04
脇正面よりの中正面の席。良い角度で、忠度の仕方話をみることができて満足。
装束の色合いも緑に緑を合わせてステキだった。

能「釆女」美奈保之伝
シテ:片山幽雪 ワキ:宝生欣哉 ワキツレ:坂苗融、御厨誠吾 間:野村小三郎
笛:藤田六郎兵衛 小鼓:林吉兵衛 大鼓:河村総一郎

初めて観る曲。
宝生欣哉師が閑師に見えた!
六郎兵衛師の笛にひたる。
最後、幽雪師の釆女の霊が、池に消えていく姿が印象的。
美奈保之伝という小書きがついて、最初が大幅カットで短くなる。

能「船弁慶」
シテ:浦田保浩 子方:分林道隆 ワキ:福王茂十郎 ワキツレ:喜多雅人、永留浩史 間:奥津健太郎
笛:杉市和 小鼓:曽和尚靖 大鼓:河村大 太鼓:前川光長

途中で席をたちました。すみません。

◆金剛定期能
能「船橋」
シテ:種田道一 ツレ:重本昌也 ワキ:村山 弘 間:丸石やすし
笛:左鴻泰弘 小鼓:林吉兵衛 大鼓:井林久登 太鼓:井上敬介

初めて観る曲。
ここのところ観世流の能ばかりを観ていたせいか、金剛流の謡がしっくりとこない。
師匠のカケリ、好きheart01
ストーリー、なんで恋の妄執となるのかよくわからない。もう一度、詞章をゆっくりと読みかえしてみよう。

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マック、椎間板ヘルニアに!

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兄ちゃん、大丈夫か〜?

2、3日前からマックの歩行がおかしい。
昨夜は、とうとう後ろ足が動かなくなり、キュンキュンと悲しそうに鳴く。
あわててかかりつけの獣医さんに連れて行く。
椎間板ヘルニアらしい。
しかし、手術するほどの重症ではなく、注射を射ってもらい帰宅。
一夜明けて精密検査に連れて行きレントゲンを撮ってもらう。ちょうど背中の真ん中くらいのところ、骨が突出しているのがわかる。それに神経が当たって、動けなくなるらしい。
階段の上り降りに気をつけてやらねば。今年で11歳、長生きして欲しい。

京都のお笛のお稽古。
日々精進の成果を発揮できそうな予感(毎回そう思うのだが…)がしていた。
本当に残念で、三段へは進めず。
しかし、唱歌が違うと言われ続けた初段の出だしが、やっと吹けるようになった!
師匠も、「今日は三段に進めるかと思いました」と、優しいコトバをかけてくださった。
うれしいnote


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大地踏@黒川能

2010年黒川能王祇祭下座
大地踏

彼の目の先にあるのは、

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ご神体の王祇(おうぎ)様。
白木の棒3本を紐で連ね、白布をつけられたもの。
開くとちょうど扇のような形になる。

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開かれた王祇様の下で、彼は拍子を踏む。

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宣伝♪第55回同明会能

いよいよ週末は、第55回同明会能だ。
同明会とは、京都を活動の拠点とする能楽囃子方の団体。
囃子方さんが主役な舞台、能楽囃子好きなワタシにとって、今からワクワク。
同明会のサイトはこちら
今回は、指定席を取り損ねたので、早く行って並ばなければなりませぬ。

第55回同明会能
2010年2月27日(土) 11時開場 12時開演
於 京都観世会館

素囃子「揉之段」
笛:杉信太朗 小鼓:林大和 竹村英敏 林大輝 大鼓:井林久登

舞囃子「淡路」急々之舞
シテ金剛龍謹
笛:左鴻泰弘heart04 小鼓:吉阪一郎 大鼓:石井保彦 太鼓:井上敬介

舞囃子「巴」
シテ:井上裕久
笛:森田光廣 小鼓:伊吹吉博 大鼓:武重方軌

舞囃子「遊行柳」青柳之舞
シテ:河村和重
笛:光田洋一 小鼓:竹村英雄 大鼓:河村大 太鼓:前川光長

舞囃子「花筐」
シテ:片山清司
笛:帆足正規 小鼓:曽和尚靖 大鼓:谷口正喜

舞囃子「野守」
シテ:杉浦豊彦
笛:光田洋一 小鼓:古田知英 大鼓:谷口有辞 太鼓:前川雪

狂言「文荷」
茂山七五三 茂山千三郎 網谷正美

一調一管「天鼓」
大江又三郎 笛:森田保美 大鼓:井林清一

一調「雲林院」
金剛永謹 小鼓:曽和博朗

能「海士」二段返 懐中之舞
シテ:浅見真州 子方:赤松裕一 ワキ:村山弘 間:松本薫
笛:杉市和 小鼓:林吉兵衛 大鼓:石井喜彦 太鼓:前川光範

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続S90

新しく買ったデジカメのキャノンのS90面白い!
同じノスタルジック調のモードでもダイヤル回しただけで、こんだけ違った雰囲気に仕上がる。
犬くんたちは、日曜日に美容院へ行ったばかりで、モデルさんポーズ。

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おっさんだけどラブリーなマック

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イケメンペキのクイール

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遊び疲れたルーク

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狂言立合い@春秋座

楽しみにしていた京都芸術劇場春秋座の狂言立合いに行く。
和泉流の野村家と、大蔵流の茂山家との立合い狂言である。
とってもぜいたくな時間を過ごさせたもらった。めいっぱい楽しむ。

昼の部
「三番叟」
三番叟:野村萬斎 千歳:野村遼太
笛:一噌幸弘 小鼓:大倉源次郎 吉坂一郎 上田敦史 大鼓:亀井広忠

野村萬斎さんの三番叟を観るのは2回目。すっごいオーラ★
一噌幸弘さんの笛を聴くのも久しぶり。

「蝸牛」
山伏:茂山千五郎 太郎冠者:茂山逸平 主:茂山茂

太郎冠者の肩衣の文様が、牛祭のお面だった!

夜の部
「三番三」
三番三:茂山逸平
千歳:茂山童司
笛:杉信太朗 小鼓:大倉源次郎 吉坂一郎 上田敦史 大鼓:亀井広忠

茂山逸平さんの三番三は、初めて観た。白い直垂!
杉信太朗さんの笛の音、のびやかできらめいていた。

「蝸牛」
山伏:野村萬斎 太郎冠者:野村万作 主:野村遼太

野村万作さん、元気だ。

昼の部で、席に着いたら、びっくり仰天。偶然にも隣の席に、月扇堂さんが座られたのだ!
偶然が二度三度と重なると、必然なのかもと言う気になってくる。
これからもよろしくおたの申します。

※「さんばそう」の表記は、和泉流は「三番叟」、大蔵流は「三番三」となる。
ちょうど2月に出たばかりの天野文雄先生の『能苑逍遥下 能の歴史を歩く』(大阪大学出版会)の中で、「サンバソウの呼称の変遷」という論考が収録されている。

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1月末の観能メモ

忘れないうちに1月末の観能メモ

林定期能
2010年1月30日(土) 
能「養老 水波之伝」 
シテ:林喜右衛門 ツレ:河村和貴、田茂井廣道 ワキ:福王和幸
笛:杉信太朗 小鼓:曽和尚靖 大鼓:谷口有辞 太鼓:前川光範

能「海士」        
シテ:松野浩行 子方:田中花音 ワキ:有松遼一 アイ:茂山良暢
笛:左鴻泰弘 小鼓:吉阪一郎 大鼓:石井保彦 太鼓:井上敬介

師匠の海士の掛の早舞が聴けて、幸せheart01

林吉兵衛襲名披露能
2010年1月31日(日)

能「乱 双之舞・置壺」   
シテ:金剛永謹 ツレ:金剛龍謹 ワキ:高安勝久
笛:森田保美 小鼓:林大輝 大鼓:谷口有辞 太鼓:前川光範

能「屋島 弓流・素働・奈須与市語」 
シテ:片山清司 ツレ:分林道治 ワキ:福王茂十郎 アイ:野村萬斎
笛:藤田六郎兵衛 小鼓:林吉兵衛 大鼓:山本孝 

無謡一調「頭取」 幸正悟

独吟「鶴亀」 金春欣三

舞囃子「羽衣 和合之舞」
片山慶次郎
笛:帆足正規 小鼓:竹村英敏 大鼓:石井喜彦 太鼓:井上敬介

狂言「蝸牛」
茂山千五郎 茂山忠三郎 茂山千之丞

別習一調「夜討曽我」 浅見真州  小鼓:大倉源次郎

別習一調「勧進帳」  大槻文蔵  大鼓:亀井忠雄

半能「石橋 大獅子」    
シテ:大江又三郎 ツレ:大江広祐・大江泰正・大江信行 ワキ:福王和幸
笛:杉市和 小鼓:林大和 大鼓:河村大 太鼓:前川光長

「屋島」を観ることができて幸せ。生きてて良かった〜
ツレの分林道治師が橋掛りを歩いてやってくる姿、なんて美しいんだろうと思った瞬間、この舞台はきっとすごいに違いないと確信できた。
席が、正面の1番前列、舞台に向かって右端だった。六郎兵衛師の姿が見えない席は嫌だなあ〜と思っていたけど、萬斎さんの奈須与市語を見るのには最適な距離と角度でドキドキheart02

大江家勢揃いの「石橋」、豪快。

囃子方さん、みな同じ着物(色目は人によって違う)を着てらした。中でも林吉兵衛師のご子息の大輝師は鮮やかな紫色、大和師は柿色。

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コレクター

京都のお笛のお稽古日。
相変わらず羯鼓。どこまで続くか、中之舞なみに長びきそうな予感。

雑談中に、衝動買いしてしまうものの話となる。
お稽古仲間のおしゃれなN氏は、カッコいいメガネを見ると衝動買いしてしまうという。いつもフォルムの綺麗なメガネをかけていらしゃる。師匠も万年筆にこだわってらっしゃる。
私はやっぱり本ですかねえ。興味のある分野の本を、片っ端から集めたいという衝動にかられて、ついつい衝動買いしてしまう。今日も仕事帰りに古本屋さんで、能の本を3冊と、ムック本を買う。

野上豊一郎篇『能二百四十番 主題と構成』
お友達が持っていて欲しくなった本。

堂本正樹『喝食抄 堂本正樹能劇評論集』
前に読んだ『能・狂言の芸』が面白かったので。

栗林貞一『能を見る人に』
巻末の附録にひかれる。古い能の番組もはまされていた。

別冊家庭画報『伝統芸能の若き獅子たち』
ビジュアル買い。新聞の切り抜きがはさまれていた。前の持ち主は、きっと茂山家のファンだったのだろうな。

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忠霊@日本伝統音楽研究センター

昨年の後期、京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センターのでんおん連続講座「能をよりよく鑑賞するための音楽演出面のポイント」(講師:藤田隆則先生)を受講した。とっても面白くて、お友達もたくさんできた。藤田先生は、講座終了後にも、有志を募り、自主ゼミみたいな形で、補講を続けてくださった。今日はその3回目の補講日で最終回。
(でんおん連続講座は、2010年5月からも始まります!)

今回の補講は、本邦初公開という貴重な音源の鑑賞会。
レコード収集家である亀村正章氏のコレクションから、野村得庵の「羽衣」「猩々」と「忠霊」を聴く。
野村得庵とは、明治から昭和前期の実業家。野村財閥を築いた。茶、能に造詣が深く、能を観世左近、観世銕之丞(華雪)、片山博通に習っていたという。
聴かせていただいたのは、野村得庵が自分の演能を記録したレコード。昭和13〜17年くらいに吹き込まれたのではないかということだ。亀村氏が収集された野村得庵翁のレコードは全部で54枚。それらのレコードを、デジタル化された。
レコードと一口に言っても、初めて見たレコード。普通、私が知っているレコードとは、まったく違うもの。アルマイト製だそうだ。
※亀村正章氏は、京都放送株式会社(現在のKBS)で、ラジオ・テレビ音楽番組の企画制作に携わってこられ、退職後、収集されたレコードの整理と研究を続けられている。今後の研究成果が楽しみ。

さて「忠霊」は、囃子も入ったライブ録音。野村得庵伝の趣味篇に載る番組から、シテ:野村得庵 ツレ:片山博通 ワキ:福王弥三郎 市場豊久 水野知信 笛:森田光次 小鼓:竹村龍之助 大鼓:谷口喜代三 太鼓:前川光隆ではないかと推測されている。さすがに亀村氏の技術で、最低限のノイズで、ストレスなく聴くことができる。
シテが野村得庵ということなのだけど、素人なのにとってもお上手だと思う。神舞の笛の音、とても高音で、誰かに似ている気がするんだけれど、誰だろう?

藤田先生は、この貴重な音源を、能楽師の方々に聴いていただき、演者を特定したいと考えていらっしゃる。その機会が早く実現することを、願って止まない。

「忠霊」という能は、『未刊謡曲集 続9』の田中允氏の解題によると、
雑誌『観世』昭和16年11月号所載の、観世銕之丞(後の華雪)師の「新作謡曲忠霊について」によると、その年の春、大槻十三・坂井音次郎・武田太加志・浅見眞健の四氏が委員となって、聖戦の楯となった忠霊に対する国民的感謝の年から作られた曲とある。つまりは戦時下の国民の忠誠心を能によって表現しようと試みられた時局ものである
とあった。

能楽囃子体系の特典CDの中に、「忠霊」の抄録が収録されている。昭和17年に発売された大日本忠霊顕彰会による観世会委員会委嘱作品。
忠霊(1)ワキ:梅若万三郎
忠霊(4)シテ:観世銕之丞 ツレ:観世左近

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PowerShot S90

黒川能へ行くために新しく買ったデジカメは、真っ黒なルークもくっきりと写る優れモノ。

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キャノンのPowerShot S90。

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役者の読む世阿弥「続五音」

観世流シテ方味方健先生の世阿弥伝書特別講義〈役者の読む世阿弥第12期「続五音」〉が始まっている。今回読んでいるのは「五音」。今日はその2回目。

五音
世阿弥が謡の曲趣を五音、すなわち祝言・幽曲・恋慕・哀傷・闌曲の五音曲に分類し、それぞれの曲味に解説を加え、かつその曲味に該当する代表曲を例示した書。(平凡社『新訂増補 能・狂言辞典』より)

正直、私には、難しすぎてわからない。テキストの内容には、なかなかたどりつけそうにない。でも、わからないからもっと知りたい!という好奇心が先だって、参加させていただいている。そして、毎回、自分の中に、新しい驚きと知識が確実に増えていく。

世阿弥伝書特別講義 役者の読む世阿弥「続五音」
【日時】2月1日・15日・3月1日・15日・4月5日 全5回 18時半~20時半
【会場】きらっ都プラザ 京都産業会館2階
【料金】一回1,500円 5回通し券5,000円

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喜多流舞囃子「箙」

録画しておいたNHK芸能花舞台「早春をえがく」を見る。

喜多流舞囃子「箙」
シテ:狩野了一 地謡:長島茂 ほか
笛:杉信太朗 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:河村眞之介

撮影地の久良岐能舞台(横浜市磯子区)、ステキな所だ。
NHKのサイトによると、大正6年に東京日比谷に建てられ、移築されたものということだ。橋掛りの向こうにお庭が見える。いつか行ってみたいな。

シテの狩野了一師、男前ですっごくかっこ良い。
でも笛を吹く信太朗師が、梅の枝を手折って箙に差して戦う風流な若武者に見えてしかたなかった。

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鐘巻@大槻能楽堂

昨日は、大槻能楽堂へ、復曲能「鐘巻」を観に行く。
すっごく面白かったのだけれども、黒川能で観た「鐘巻」ほど感動できなかった。
それはきっと初めて黒川能を観てその印象が強く、「黒川能シンドローム」に陥っているからだと思う。

最初のお話では、天野文雄氏が、「鐘巻」と「道成寺」の違い、「鐘巻」の成立、演出について解説された。
当初予定されていた対談の梅原猛氏は入院中で、替わって道成寺の副住職である小野俊成師が、登場された。

お話「鐘巻再考 鐘巻から道成寺への変遷」 天野文雄 
対談 天野文雄 小野俊成 大槻文蔵

復曲能「鐘巻」
シテ:赤松禎英 ワキ:福王和幸 福王知登 喜多雅人 アイ:茂山千之丞 茂山茂
笛:藤田六郎兵衛 小鼓:大倉源次郎 大鼓:山本哲也 太鼓:上田悟

鐘を吊るすのは、狂言方の演技として始まる。

女人禁制の境内へやってきた白拍子を、「道成寺」では能力の独断で招き入れるが、「鐘巻」では僧侶の許可を得て入る。そして道成寺の縁起を語りながら舞を舞う。この部分は、「道成寺」では、すっぱりと省かれている。
また、「道成寺」のような乱拍子はなく、それっぽい足踏みであっさりとした感じ。
前シテの装束は、最初は黄色地の水衣に桜の摺箔、小面で、春めいた若い娘。物着の後は、金の烏帽子に水干の白拍子姿。
舞を舞ううちに、能力も住僧も寝入ってしまい、その隙に鐘の中へと消え入る。「道成寺」のように一瞬の緊迫した鐘入りではなく、鐘の下をくるくると旋回して飛び入った。

能力たちが、「道成寺」ではあわてふためいているのに比べ、「鐘巻」では女を探すために本堂の階に見立てて階の下まで覗き込んだり、橋懸かりの欄干を楼門に見立てて登ってみたりで笑いを誘う。

蛇体となって再び鐘の中から姿を現し、住僧たちに法力で祈り伏せられる。「道成寺」では執心は消えないのだけれども、「鐘巻」では執心は消えて、静々と消え失せて行く。

売店では、天野文雄氏の『能苑逍遥(下) 能の歴史を歩く』(大阪大学出版会)が、売られていた。上中巻がとてもおもしろくて心待ちにしていた本。帰りの電車で、一気読み。


今日は図書館で、道成寺のDVDを観る。
DVD「能 道成寺」(2枚組 紀伊國屋書店 2001年)
Disc1 道成寺三題〈観世清和 梅若六郎 塩津哲生〉
Disc2 道成寺源流紀行〈紀州道成寺 黒川能「鐘巻」 神に捧げられた黒川能〉 能鑑賞の基礎 道成寺の意匠

2枚目の黒川能「鐘巻」、ほんの一部分だけれども、何度も繰り返し観る。
1枚目の喜多流の「道成寺」、今まで観たことがあるのは観世流ばかりだったので新鮮。これもまた何度も繰り返し観てしまう。

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嵐山@黒川能

2010年王祇祭 下座
「嵐山」

若いふたりによる、相舞。
作り物の桜の木が華やかさをいろどる。

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そして蔵王権現の登場!この面といったら、本当に蔵王権現みたい。

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杜若@黒川能

2010年王祇祭 下座
「杜若」

なんとも可憐な前シテ。そして高貴な後シテ。

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高砂@黒川能

2010年王祇祭 下座
「高砂」

姥の写真が無い。かわいい男の子が演じていたのに。
ワキのみなさん、こどもたちが多い。眠たくならないのかな。
膝をたてて座るのだが、交互に組み替えても良いみたい。

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住吉の神さまの登場。
左の白い布を巻き付けてあるのは、王祇様。神の依り代。

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面が印象的。

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初めての黒川能。
コトバが聞き取れない。独特な言い回し。方言?
囃子方中、笛方だけが、地謡と同じ方向で座っていて、一噌流みたいに、まっすぐに座って吹いている。
知りたいことがいっぱいだ。

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鐘巻@黒川能

2010年王祇祭 下座
「鐘巻」
シテ:上野由部太夫

紀州道成寺の鐘供養。
能力によって、鐘が運ばれ、吊るされる。リアルな鐘。
エンサー チョウサー エイトモ エイトモ

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そこへ現れた一人の白拍子。
女人禁制の寺内に入り、道成寺縁起を語って舞をまう。
乱拍子では、笛も活躍。

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みなが寝入った隙に、鐘が落ち、その中へと姿を消す。

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住僧が祈祷をすると、鐘の中より鬼女が現れる!

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法力によって祈り伏せられてながらも、柱に巻き付きながら悶える、悶える。
う〜、女の執心。ワタシは味方だ!がんばれ鬼女!

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「道成寺」と「鐘巻」の違いについて、香西靖「道成寺」(『能謡新考〜世阿弥に照らす』檜書店 1972年)で、わかり易く解説されている。どこが違うのかの対照表あり。
詞章は、『校註謡曲叢書』、新潮の日本古典集成『謡曲集』の「道成寺」の解説中にあり。
まだ未見だが、紀伊国屋書店から出ている「DVD能 道成寺」(2枚組)には、黒川能「鐘巻」が収録されているとのこと。ぜひ見たいものだ。

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鐘巻〈乱拍子〉@黒川能

深夜3時過ぎの乱拍子。
夢か現かわからない。
黒川能下座の能太夫・上野由部太夫による乱拍子。
気合いがひしひしと伝わってくる。
外は雪が深々。

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2010年王祇祭 下座
「鐘巻」
シテ:上野由部太夫

「道成寺」の原曲と考えられている「鐘巻」。

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範頼@黒川能

2010年黒川能の王祇祭、下座の「範頼」を観る。黒川能下座では80年ぶりの演能。
五流(観世・宝生・金春・金剛・喜多)では演じられていない曲。
平家物語好きなワタシにとっては、行った甲斐があったというもの。

平家を滅ばした源頼朝であるが、弟の範頼の謀反を疑い、御前に召す。範頼は、忠誠を誓う起請文を頼朝に送る。

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しかし、頼朝の疑いは晴れず、範頼のいる修善寺へ梶原景時を討手として差し向ける。

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梶原景時に攻められ、範頼は割腹して自害し、炎の中へと飛び込む。が、梶原景時によって首を討たれてしまう。
割腹する所作、ドキッとした。さらに、烏帽子で首を討取られたことの表現には驚かされた。

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「範頼」の詞章は、『校註謡曲叢書』第3巻に載っている。また、『未刊謡曲集』の16、18、続10には、異本が所収。


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鴻々会

昨日は、笛のお稽古の鍋の会。左鴻泰弘先生の門下が、年に1度顔をそろえる親睦の会でもある。
師匠や兄弟子姉弟子のみなさまに危ぶまれながら、幹事をつとめる。

京町家を借りきって、自分たちで鍋の用意をする。
メニューは、ちゃんこ鍋、ボタン鍋、サバのすき焼き。
サバのすき焼きは、師匠の希望。
食べたことがないので、その味に半信半疑だったが、美味しくて大好評だった。作り方は普通のすき焼きと同じで、肉類がサバになるだけ。臭みとりに、日本酒を多めに入れて煮るのがポイント。

鍋を囲み、いろんな話題が飛び交い、とても楽しく過ごす。
師匠からは、来年の夏に社中の会を開く話があった。
来年に向けて、お稽古、ガンバロ〜!

【能管教室のご案内】
お稽古見学はいつでも大歓迎!
お稽古場は、京都、大津、大阪、東京にあります
お問い合わせはこちらから

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黒川能

山形県鶴岡市櫛引町黒川にある春日神社、その神事能である黒川能をみてきた。
毎年2月1日から2日にかけて行われる王祇祭では、上座下座のそれぞれの当屋の家(今年は、上座下座とも、それぞれの地区の公民館で行われた)において夜を徹して、大地踏・式三番・能5番・狂言4番が演じられる。
2日には、春日神社で神事と演能が行われる。2日の神事の最後まで参加させていただく。
いろんなことを考えさせられた。今は時間に余裕が無いので、詳しくレポすることがきないが、写真も許可を得てたくさん撮らせていただいたので、必ず書き残しておこうと思う。

写真は、式三番の翁と三番三。

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黒川能へ誘ってくださった月扇堂手帖の月扇堂さんに心から感謝です。また現地でご一緒させていただいた、クリコの観能日記のクリコさん、しばがき@備忘録+手帳+日記のしばがきさん、楽しい時間をありがとうございました。

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