龍谷大学ミュージアムで開催中の特別展「極楽へのいざない 練り供養をめぐる美術」がおもしろい。
平安時代中期、阿弥陀信仰が盛んになり、臨終に際して、極楽浄土から阿弥陀如来が菩薩・天人を従えて、迎えにやって来る来迎という教えがひろまった。
阿弥陀如来に迎えられたいという願いが形となって、迎講、練り供養、来迎会というその様子を再現する宗教行事や造形美術が生まれた。
たくさんの来迎図が作られた。貴族たちはその絵画の中に、自身を描かせた。
寺院では、二十五菩薩の来迎の様子を、等身大の菩薩を作り具現する。
特別展「極楽へのいざない 練り供養をめぐる美術」では、来迎図をはじめ菩薩面がずらりと並び、極楽浄土に紛れ込んだ気分。
印象深いのは、なんといっても大好きな滋賀の新知恩院の二十五菩薩来迎図(前期展示)。楽器を奏でる天人たちの描写がいきいきとしていて、音楽が聞こえてきそう。
私は今回の特別展で初めて知ったのが、岡山県の弘法寺の踟(ねり)供養。中が空洞になっている大きな阿弥陀如来像を人がかぶり、六観音の行列を迎えるそうだ。かぶりものの阿弥陀如来が展示されていたが、圧倒された。実際の行事をぜひとも拝見しに行きたい。
先週の連休中に、岡山の弘法寺の踟供養の実演と講演もあったそうだ。私は残念ながら仕事で行けなかったのだが、参加したお友達から、関信子著『千手山弘法寺踟供養』というステキなお土産をいただいた。弘法寺の踟供養の解説書で、練り供養とはどういうものかが、わかりやすく書かれており、とても勉強になる。というか、78ページという小冊子であるけれども、漢字にはすべてフリガナ、索引までついているとう丁寧さに驚いた。
ミュージアムシアターでは、「岡山・弘法寺の踟供養」「奈良・當麻寺の聖衆来迎練供養会式」「よみがえる幻の大回廊 ベゼクリク石窟」が、交互に上映されているので要チェック。
会期は今週末の10月20日(日)まで。どうぞお見逃し無く!
最終日の20日(日)には、泉涌寺の塔頭・即成院さんで、阿弥陀如来二十五菩薩お練り供養があります。併せて行くのもおススメ。
龍谷大学ミュージアムのwebサイトは→こちら
大串純夫著『来迎芸術 』(法蔵館)を読み返して、後期展にも行きたいな。
発行年を調べようとしたら、書庫に無い!
実家に置いてきてしまったのかなあ…とほほ。
最近のコメント